BSフジ「2020年の銀杏BOYZ」全編レビュー!峯田と松本穂花がラブホで足の臭いを嗅ぎ合う。

2020年10月、待望のニューアルバムのリリースが決まった銀杏BOYZ。だからと言って、こんな番組があっていいのか?

8月27日の深夜2時、
女優、松本穂香のスマホ自撮りから始まる。

最近のAVの演出を彷彿とさせるようなオープニングにも、
銀杏BOYZの特番を匂わせる。

そう。臭うのだ。

この番組は、
臭いを嗅ぐ。

銀杏BOYZの臭いを嗅ぐための番組。

ショートカットで、白の清楚なワンピースに身を包む松本穂香。

2017年に、NHKの朝ドラ「ひよっこ」で銀杏BOYZボーカル峯田と共演。
そして、「銀杏BOYZ&Keisuke Kanda」コラボTシャツのモデルとしても、
峯田と共演している。

渋谷を2人で歩いて、喋るだけと聞かされていると語る。
そして、彼女は峯田の元へ。

カット割でファッションビルの壁でアキレスを伸ばす姿が映される。

彼こそが峯田和伸だ。

「目を合わせて、お話はできなかったかなぁ笑」
「純粋に峯田さんについて知らないことが多いので、純粋にお話しして聞けたらなと思います。」

彼女のそんな言葉から始めます。

「NO FUTURE,NO CRY」のライブ映像と共に、
銀杏BOYZの経歴と、この番組の紹介を。

ギターの歪みが懐かしく痛い。
この音が匂わせる、ノスタルジー。

ー2003年にGOING STEADYの終わりから始まった銀杏BOYZ。

2020年、6年半ぶりのニューアルバム発売。ー

ーこの番組は峯田と関係の深い人物のインタビューと
女優・松本穂香がカメラマン兼インタビュアーとなり
深夜の渋谷を舞台に峯田との対話をまとめたドキュメンタリーです。ー

さぁ、始めようか。

僕たちの銀杏BOYZを、もう一度。

「こんなわかりやすい感じで?笑」

スマホのライトを点灯させて、自撮りで渋谷を歩く松本に峯田が言う。

彼女がスマホカメラを回して、今日は対談を歩きながらする。

松本穂香23歳、峯田和伸43歳。

峯田のトーンとスピードで、会話が始まる。

カメラを交代して、松本を撮る峯田。

わかってるなぁ、峯田。

「東京行ってそう言う世界入ってあいつそんなんじゃねぇのにって言われてるじゃん、
でもあいつ変わってないねって言われた方がいいよね?」

すかさず「私が撮ります」とカメラを奪う松本。

「無理しなくていいからね?」峯田の優しさ、そして、気遣い。

「いつ頃上京されたんですか?」
そんなのWikipedia見ればわかるとツッコミながらも、

25年と答える。

渋谷ラママの前に到着。
伝説のあのイベントのあのライブハウス。

そして、先日行われた、銀杏BOYZのスマホライブが行われたのもここだ。

10秒程度、「ぽあだむ」のスマホライブ映像を挟む。
汗だくの峯田。の顔面のドアップがスマホの縦画面でテレビにデカデカと流れた。

そして話は、あのイベントの話に。

「毎年、クリスマスイブに、イベントやってたんですよ。恒例で。

オナニーマシーンってバンドと。2つのバンドで。

まぁ酷いんですよ、そのライブが。

タイトルが「童貞たちのクリスマスイブ」

ホールケーキを30個買い占めして、
客席に投げ込むんですよ。ぐっちゃぐちゃになるんですよ。」

えー楽しそう笑by松本

「楽しいですよ。やってる方は」

BABY BABY(童貞たちのクリスマスイブ)の映像が流れる。

あーむちゃくちゃだなぁ。

サンボマスター山口のインタビュー

初めてあったのは、新宿とか渋谷とか?じゃないですかね?音に関係するところ。

ティッシュタイム(オナニーマシーンのイベント)では、GOING STEADYと対バンしましたね。

最近この状況下、ライブできない。今、その時のありがたみがわかる。

「あの時代、今もそうですけど、
ライブのロックンロールであったりパンクロックであったり、
そう言うものの熱いとこに触れることができた幸せがありますよ。その時代時代」

「ずーっとライブハウスで暮らしてると言う感じがありますよ。
そこにいることが僕たちの活動なんじゃないかなと今思いましたよ」

BGMで流れた曲が

「世界はそれをー」ではなく

「さよならベイビー」と言うのがいじらしい。

番組制作陣の愛を感じる。

サンボマスターの代名詞は「世界はそれをー」かもしれない。

いや違う。
さよならベイビーや、その温もりに用がある

そう、僕たちはあの温もりに用があるんだ。

シーンは渋谷ラママに戻る。

「自分にとって好きな場所」
だからスマホライブをこの場所で。

なんか、あの時、Tシャツの撮影の時、目を合わせてくれませんでしたよね?

「相手によりますよ。相手が男なら。でも女性は難しいから」

「もっと砕けてとか真面目にとかあったら言って下さいね」

ちょうどいいと思いますよ。

なんて、シャイな峯田をのぞかせながら。

夜の渋谷ちょっと怖いですね。と松本。

「だって有名人ってわかってる?映画見たよ?」

そんなことないですよ。いつかひっそりいなくなるかも。

「またまた」

銀杏BOYZの好きな曲は?>サンボマスター山口

いっぱいありますよ。

「NO FUTURE,NO CRY」ライブのアレンジすごい好きですよ。
カバーしましたよ。

最近のも好きですよ。「恋は永遠」ロックンロールだなって。

BGM「NO FUTURE,NO CRY/サンボマスター(cover)」
このカバーがまたいいんだよなぁ。

銀杏BOYZトリビュートに入ってる。
サンボマスターだからこその解釈が詰まってる。

「未来はあるのさないちゃダメさ」
最後の歌詞をそう変えたサンボマスター。

そう、未来はないけどと峯田は歌う。
サンボマスターは、それを未来はあるのさ、ないちゃダメさと歌う。

彼らの音楽の2面性がそこにある。

似て非なる、彼らの表現の根本を感じるような。

CMを挟んで、午前3時。
汗がすごい。汗だくの2人。

場所は、タワレコ。

「タワレコとか来ます?」
こないです。by松本

今度10月にアルバムが出るんだけど、
またプロモーションでこう言うとこにくるんだよ。

CD聴きましたとつたえる松本に、

「あぁ、、、」と息を詰まらせる峯田。

映画は、監督に全てを委ねられる。
でも、音楽は、監督もスタッフも出演も全て自分。
だから、誰にも投げられない。

自分の手から離れる瞬間。
それが、リリース。

リリースするまでは、レコーディングが終わっても、
まだ抜けきらない。

そう語る峯田。
言葉を詰まらせた胸の内。

松本を前にして、そうは言わなかったけれども、
「聴きましたじゃねぇよ」そんな声が聞こえた気がした。

田口トモロヲ、みうらじゅん、橋本愛のインタビュー。

BGM「アイデン&ティティ」劇中歌「アイデン&ティティ」(サントラ収録)BGB「映画アイデン&ティティ」のメイキング映像

田口:初監督映画、みうらじゅん原作「アイデン&ティティ」の主役が1年以上決まらなくて。ずっと探してて、最終的に出会ったのが、GOING STEADY時代の峯田くん。まぁびっくりした。ヤバイやつ見つけた。やった。

みうら:珍しく、田口から電話があって、そのとき言ってたのが、
「珍獣発見」嬉しそうに。珍獣と、獣がついてた。そう言ってた。
撮影現場で、初めて見て、物腰の柔らかい。優しいタイプ。
演技が始まると、ぷつっと音がしたかのように、リアリティのあることをする。

田口:アイデンや他の映画でもそうだったんですが、リハーサルからあまりにも本気でぶつかるんで、みんなが上げざるを得ない状態になる。それでいい相乗効果が生まれる。
そして、1ステージも、2ステージも上がる。

橋本:峯田の演技がすごい好きで、あれをやりたいけど、やり方わかんなくて、どうやってるかと聞いても、なんもやってないって言うか。
周りに化け物みたいな役者がいる中で、峯田はたった1人の種族で。

峯田が喋るとセリフが歌なんですよ。

田口:ライブパフォーマンスでのシャウトっぷりや暴れっぷりは、
見ている人の魂を揺さぶりますよね。
演技でも、魂を揺さぶることができる、ほんとに稀な。
常に本気度300%って言うか。

シーンは渋谷パルコへ。

「元々映画館だったんだよ。すごい好きだったなぁ」

「パルコ劇場って知ってる?行ったことある?」

ないですby松本

「初めてお芝居、演劇を三浦大輔演出で、池松壮亮とダブル主演でやったの」

母を欲すの映像をちょろっとだけ。
数秒の映像だったけど、池松の演技を食ってかかる、
えげつない峯田の演技が鬼がかる。

インタビュー池松壮亮

兄弟役で初めて共演しました。
田口の映画とか見てましたけど、できれば会いたくなかったですね。
職業的に俳優をやっている人間からすると、
あまりにも飛び抜けていて、
ちょっとやっぱり向き合うと、こっちが浮いてしまうし、
こっちの嘘がバレてしまうし、
いろいろひっくるめて濃かったですよ。
おそらく本番だけで、60何回やってるんです。
発表してるかわからないけど、
割と序盤にあの人、あばら折って、指も骨折してましたよ。笑
もうほんとに容赦がないので、こっちもてを抜けないですし。
喧嘩のシーンでもいくらあばら折れてても、
僕が先に降りようとしても、降ろしてくれないんですよ。
見てる人はわからないんですけど、まず自分が土台になろうとする。
ほんとに峯田さんらしいというか。
何回繰り返しても、全てを舞台に置いてこようとしてましたからね。
あんな経験は、対俳優としても、二度とできないと思いますね。

シーンは、渋谷へ。

峯田:お芝居はいつから?

松本:高校の演劇部で。軽音か演劇で迷って、演劇には興味が元々あって。

峯田:演じるのが楽しくなって、女優を目指そうと?

松本:劣等感を感じてた。女優を目指していた演劇部でいつも主役をとるかわいい子に。

峯田:俺の場合は、学生時代、打ち込めるものがなかった。
音楽聴くの大好きだった。これだったら勝てそうな気がしたんすよ。
他は全敗。何やっても。
音楽を聴いてる時と、それ以上に自分で音楽を作って歌った時、
やっとみんなと並列になれる。みんなより上というよりかは、
やっとみんなと一緒になれる。その感覚あるから、だからやってんのかもね。
じゃないと、オレほんとバイト、何やってもやめてるばっかだから。

だから、飽き性なんだよオレ。

松本:私もです。やっと続いたことかもしれない。

峯田:じゃぁそれは、やっていいことなんじゃない?

松本:運がいいと思いますか?

峯田:それだけできたからね。
占いのゲッターズさんに占ってもらって、
73歳までピーク続くって言われた。

松本:私も信じちゃうかも、ゲッターズのお弟子さん女性の方に、見てもらって、
来年、出会いがありますみたいな。言われて。男性と。

峯田:今はいないの?

松本:今は笑。ね笑

峯田:もっと女優さん恋愛してほしいと思いますよ

松本:禁止される意味もわからないですしね。

絶妙な会話を引き出す峯田の力。

銀杏BOYZの好きな曲は?>田口トモロヲ

田口:出会い頭の曲で、GOING STEADY時代から歌い継がれる
「若者たち」
PVの映像の中での暴れっぷり。

みうら:そんなこと言って、若い時暴れっぷりナンバーワンだったのこの人(田口)だから。ごめんなさい。うんちしてたのこの人だけだから。笑

田口:非常にバイオレンスチックなんだけれでも、なぜそうならざるを得ないのか。
っていうことを体現してる。
閉塞的な時代であったり、その年代的なことであったり、願望、欲求、それを体現してくれるその代表なんじゃないですかね。
初めて見た人は、ショックを受けるし

ああ、自分と一緒の人がそこにいると思って感動するんだと思います。

時刻は3:30の渋谷。

左を見られたいからさっきまで左だった?

左の方が落ち着くんですよね。

そんな会話をしながら。

ホテル街へ。

松本:ホテル街楽しいですよね。入っていく人や出ていく人を見ながら。想像する。

なんてことを言う女優なんだ。
そんなことを言わせてしまう、峯田という人間性。

峯田:ラブホテル行ったことあります?よくきたなぁ。

松本:なんでそんなこと聞くんですか?笑。でも撮影で入ったことあります。
峯田さんはこの辺何のためにきました?

峯田:エッチ。彼女と。ライブハウスあるし、ライブ終わりで、酒飲めないから、彼女と、ラブホでいっかぁ?とか言って。

撮影はラブホの中へ。

AVの撮影っぽくなってきた。

風呂入りますよ。オレ汗ビショビショなんで。by峯田。

平日だから、空いてるけど、週末とかヤバイっすよ。オレは入れなかったこと何回もあるもん。

なんという家会話。

インタビュー橋本愛

大森靖子が大好きで、大森さんは峯田さんが大好きで。
大好きな人が2人繋がってて、私は2人を追いかけていて。
いだてん(NHK)で峯田と共演したときに、
自分がミッドナイト清純異性交遊でPV出演してた話を、

BGM:ミッドナイト清純異性交遊/大森靖子

峯田さんが、あの曲を褒めてくれて、そういうところで繋がってたんだなって。
嬉しかった。

宮藤官九郎が造形してる「スーさん」は峯田の人間性を思い浮かべて作ってて、
峯田だからこそでる嘘じゃない愛情や、人を思いやる気持ち。

私が演じた小梅ちゃんは、スーさんのことが大好きでしたし、
こんな人の妻になれてすっごい幸せって思いました。

シーンはラブホの一室。

峯田お風呂入ります。
タバコ吸う峯田。

ラブホなんか来てすること一つなんだから。by峯田

ジャンケンで負けたら、足の匂い嗅ぐのやります?
とゲームを持ちかける。

ジャンケンには峯田が負けて、松本の足の匂いを嗅ぐ峯田。

結果全然臭くなくて「つまんねっ」と吐き捨てる。

インタビューみうらじゅん、田口トモロヲ

みうら:自分のことすごい好きだったから、人に憧れることなかったけど、
峯田くんだったらなってもいいかなって思って、好きになり、

銀杏ファンもあんまり知らないと思うけど、

ブロンソンズに無理やりなのか加入してもらって。

元々、田口とはずっとやってるんだけど。
今峯田は、ブロンソンズの、メンバー。

田口:去年のこと。峯田に加入してもらって、すぐ、なんかやろうってなって。

こんな世の中、意味のないことをやらないと意味がないんじゃないか。生きてる意味がないんじゃないか。だから無意味なことをやろう。

そして、リリース予定もないレコーディングを。

楽しかった。

みうら:未だにその音源、出すとこなくて、ラジオで流したんですが、

なんの反響もなく流れてました。
なんの反応もないのが悔しかったですが。

シーンラブホ。

次、仕事場であっても、なんも喋んないと思う。
家帰って、ほんと申し訳ないと思うんだよね。by峯田

お風呂に行く峯田。

これずっと見てたんですよね峯田さん。とラブホのコスプレレンタルのポップを映す松本。

泡風呂に入る峯田に呼ばれて、お風呂に入る峯田を撮影する松本。

銀杏BOYZの好きな曲は?>みうらじゅん、橋本愛、池松壮亮

みうら:オレはねぇー光って曲好きでぇ。

橋本:なんか精神的にまいっちゃってる時に光を聴いて、自分を鼓舞してたというか。

池松:
1番聴いてるのは、光。
夜1人で高速運転しながら聴いたりしてるのが光。

やってらんねぇよっていう世界に対しての中指と、
自分に対しての中指を、
あの人が舞台の時とかもそうなんですけど、その場の一心を背負って、
峯田さんが全てを代弁してくれてるような気がして、

もうこちらも祈るような気持ちになってしまうというか。

多分本人に聞いたら知ったこっちゃねぇよみたいな感じでしょうけど。

なんつーンスかね。天使みたいなとこあるじゃないですか、傷だらけの。

シーンはラブホへ戻る

明日お休みですか?お休みです。おーよかったですね。

峯田:好きな人とラブホとか来たら楽しいよ。いきないきな!

松本:いけないでしょう。笑。好きな人が有名な人だったらどうします?

峯田:広末涼子とか?オレ好きだから。プライベートで?普通じゃない?
(パパラッチが)いたら、ピースとかしちゃってさ。
そうだね、松本さんは気をつけないとね。

他愛もない会話。

2人でベッドに入って、

ウォシュレットのビデの話。

若干引きながら、松本が対応する。

「1番ためになった」by峯田

それ複雑です。と松本は答える。

「ギターあんじゃん」と手をとり、

新曲

「アーメン・ザーメン・メリーチェイン」

を弾き語る。

「アーメン・ザーメン・メリーチェイン」歌詞書き起こし。

ふたりで街を出ようか
きれいなままでいようか
長い夜がまどろむ
青い傷をなめて

ふたりで間違えようか
神様に背を向けようか
口に出せない言葉の数だけ
キスでうめて

もうきみのこと好きなんかじゃないよ
愛しているだけ
僕が生きるまできみは死なないで
繋いだ手もこぼれた精液も
光なきこの世界も

僕らが拾い集めた
小さな石ころたちは
いつか星座になり
誰かが見上げるだろう

波打ち際回るよメリーゴーランド
後ろにいるから
僕の名前よんで離さないでくれ
繋いだ手も石と薔薇も
光なきこの世界も

あたたかいギターは夜を冷やしていく
曇るきみの声は僕を走らせて

もうきみのこと好きなんかじゃないよ
愛しているだけ
僕が生きるまできみは死なないで
繋いだ手もこぼした永遠も
光なきこの世界も

光なきこの世界も

「絶対苦情くるな」峯田

「うまーい」松本

靴下の臭いを臭くないでしょとかがす峯田。

女優さんになんなくちゃいけない目だと思うんだよね、松本さんの目は。

BGM:2回戦/銀杏BOYZ

外出たら暑いね。せっかく涼しくなったのにね。

ラブホをでるふたり。

そして番組は幕を閉じる。

クソみたいに、きみが好きです。by二回戦。

午前5時37分。

3時間の撮影に幕が閉じる。

最後にテロップが流れた。

「この番組は10/14(水)25時15分から地上波フジテレビ(一部地域を除く)にて放送。

こんな番組誰が見るんだと言わせんばかりの、

銀杏ファンのための銀杏の、峯田の番組。

地上波でやるらしい。

俳優峯田、ミュージシャン峯田。

なんでもいいか。

そんな朝が迎えられる気がする。